Unity Learn Review - New Features

「Unity Learnレビュー」新しい学習支援機能と学習プログラム

Posted by 51n1 on 20 Feb, 2021

もくじ

はじめに

Unity Learn Top Page

Unityの公式オンライン学習サービスである「 Unity Learn」では、有料サービスだったUnity Learn Premiumを2020年3月より3か月間無料で提供していたが、2020年6月以降も引き続き無料で開放することを発表した。これによりUnityが持つ膨大な学習リソースに誰でも無料でアクセスできるようになった。

そして2020年11月にUnity Learnではいくつかの学習支援機能と新しい学習コンテンツが新しく追加された。Unity Learn自体もサイト構成等リニューアルされており、Unityが学習コンテンツに力を注いでいるのがわかる。

追加された学習支援機能

経験ポイント(XP)

学習コンテンツ毎にそれぞれ学習者が獲得できるポイントが用意され、学習を完了することで取得できるXPという経験ポイントが設定された。ゲームの経験値みたいなものとなっている。効果があるかどうかはさておき、これによって学習のモチベーションを少なからず向上させる改善が為されている。

ちなみに私のXPは現在、13,455XPである。各コンテンツにはあらかじめスキルカテゴリが設定されており、設定されたカテゴリ毎にポイントが与えられ、スキルレベルが上がっていく仕組みとなっている。経験ポイント導入前に実施した過去の学習履歴も反映されるようだ。

バッジ収集

ポイントと似たようなものだが、学習の達成感を与えるため実際のゲームストアにあるようなバッジ機能が追加された。本記事後半で紹介している学習プログラムを完了するとバッチが貰える。

スキルカテゴリ毎のレベル進捗グラフ

今までに取得したバッジ

マイプロフィール

2月にUnity Connectというコミュニティサービスが廃止され、そこに含まれていたプロフィール機能がUnity Learnに移行したようである。

またグループという機能も追加されている。現在は特定の学習プログラム単位でグループが用意されていてそれに参加する形になっている。今後、自分のプロフィールと連携できるのかもしれないが、今のところは、まだ色々と機能が未実装な感じである。

My Profile

Groups

新しい学習プログラム

ゲーム開発者としてのキャリアパスを意識した学習コースが2種類追加された。

Unity Essentials

Unity Essentials

Unityの入門用に学習するなら、この「 Unity Essentials」がおすすめである。英語が苦でなければ、公式で無料で内容が良い教材は他にないだろう。Unityエンジニアのインタビュービデオも多く含まれており、業界の実態も垣間見れて良いコンテンツである。

本コースには入門者向けの基礎学習ミッションが3つ用意されている。各ミッションの最後にクイズ形式のテストが設けられ知識の定着を図れる。またミッション完了するとリワードとして無料のAssetが手に入る。

学習期間はコース標準で2週間ぐらいとされている。私の場合、1日2,3時間を充て3日程度で完了させた。

学習コンテンツとしてはビデオによる解説が結構多いが、おおむねドキュメントによる説明が中心となっている。

本コース内で作成したゲームプロジェクトをWebGLでBuildしてPublishするという作業がチュートリアルに何度か組み込まれている。完成度は低くてもゲームを作って公開するという一連の学習行為がゲーム開発のハードルを下げる役目をしている。初めてWebGLを使ってみたが、WebGLのBuildは結構時間が掛かることがわかった。

Unityは「 Unity Play」というゲームシェアプラットフォームを提供している。これはこれで面白いので今度紹介してみたい。本コース内では課題をUnity Playにパブリッシュする学習内容が含まれている。

また、ゲームを作る素材をUnity Asset Storeから探してインポートする場面が多く出てくる。Asset Storeの宣伝も兼ねているのだろう。勝手な推測だが、収益をAsset Storeで上げるという方針なのだろう。

Unity Essentialsの次のレベルに位置付けられている学習コースがUnity Junior Programmerである。

Junior Programmer

Junior Programmer

Junior Programmer」はUnityとC#について丁寧に解説してくれるので、プログラミング初心者にも最適なコースだろう。学習ボリューム(想定される学習期間が12 weeksなので3か月!)はかなり多いので、本コースを終わらせるための時間はそれなりに必要となるだろう。腰を据えて取り組む時間がないと厳しいかもしれない。学生なら良いが時間が限られている社会人には厳しいコースである。

本コースにはミッションが4つあり、私は最初の2つであるProgramming BasicsとProgramming Simple Functionalityをとりあえず完了させた。この2つだけでも約2週間かかったので、全てやり切るには同等の時間が必要だろう。この2つのミッションにはCreate with Codeの学習プロジェクトが丸ごと含まれている。元々このチュートリアルのみで36時間の設定であるので、Junior Programmerの学習プログラムのボリュームがとても大きいのがわかるだろう。

Programming BasicsとProgramming Simple Functionalityを終わらせれば、Unity 認定ユーザのプログラマー試験が受験できるレベルになると期待したのだが、残念ながらまだアメリカ以外のテストセンターでは実施していないらしい。

非常によくできた学習プログラムである。これとUnity Essentials、Unity C# Survival Guideを学習すれば、初級レベル以上のUnityのスキルを3か月程度で身に付けることができると思う。

Unity Learnのチュートリアルビデオ全てに当てはまるが、全編英語ナレーションとなっており、一応英語の字幕が付いている。ただ、途中、字幕がなかったりするビデオもあるので注意。英語のナレーション・スピードは抑えてあり、学習のペースはゆっくりとした速度になっている。

本コースの学習にはUnity 2018.4の利用を推奨されているが、2019.4で学習した。バージョンは合わせるようにという注意の記載があったが、特に問題なかった。

基本的なゲームを作成しながらUnityとC#を学んでいく学習ユニットが5つあり、各ユニットのChallengeでは、トラブルシューティングの練習ができる。ある程度完成された状態からBugを探し、Fixするという演習課題となっている。そして各ユニットの最後に10問程度のクイズが用意され、学習内容をおさらいする。

参考URL

Learn Premium が誰でも無料でご利用できるようになりました

新しい学習プラットフォームとして生まれ変わった Unity Learn のご紹介