【Unityモバイルゲーム開発入門】ゲームをテストする

Unityで作ったゲームをAndroidで動かしてみる

Posted by 51n1 on 11 Aug, 2021

もくじ

はじめに

本ブログ記事ではUnityで作成したゲームをAndroidで実行する方法を記載したい。Androidで動かす方法はいくつかあるが、今回はAndroid向けのアプリをUnityでビルドして、それをAndroidの実機に転送してインストールする方法を紹介する。この方法はAndroidでの実機を使ったテストにもなるし、友達や家族に作成したゲームを配布したいというときには、一番簡単な方法になるだろう。

上記の方法以外にもUnityゲームをAndroidで動かす方法がある。例えば、Android用アプリのUnity Remoteを使うとアプリをビルドせずにUnity EditorでPlayボタンを押すだけで実機上でテスト実行ができる。他には、モバイルデバイスとUnity Editorを起動しているPCをUSBケーブルでつないでおけば、ビルド完了後に自動で実機テストが可能である。これらの方法は今回紹介しないが、次の機会で試してみたいと思っている。

ただ、ここで挙げた例はPCとUSBケーブル等で接続した状態でないとテストができないのでテスト用のモバイルデバイスがない場合、テスト中は通常のモバイルの使用が制限されるので、若干不便である。そのため、最初に示したテストがしたいときだけ自分のモバイルデバイスを使用するような方法が僕の用途では最適である。

今回、使用したUnityバージョンは以下の通りです。
Unityバージョン:2021.1.16f1

Android Build Supportのインストール

AndroidアプリのビルドにはAndroid SDKが必要である。開発PCにAndroid SDKがインストールされていない場合は、以下の方法で導入する。以前はUnity Hubを使わずに個別にAndroid SDKをインストールしていたが、今はUnity Hubを使うのがとても容易である。

まずは、Android Build Supportがインストールされているか確認する。Unity Hubを起動し、「Installs」メニューを選択し、ゲームの作成に使用しているUnityバージョンにAndroid Build Supportのアイコンが表示されていればOK。もし表示されていない場合は、各バージョンの右上にあるメニューアイコンをクリックしAdd Modules画面を表示させてAndroid Build Supportをインストールする。インストールしたいモジュールをチェックし「DONE」ボタンをクリックする。( 1.1, 1.2)

1.1 Installs - Unity Hub

1.2 Add Modules - Unity Hub

プラットフォームの変更

Unityプロジェクトを起動し、「File」 → 「Build Settings」を選択し、Build Settingsウィンドウを表示させる。Build Settingsウィンドウの左のPlatformのリストから「Android」を選択し、「Switch Platform」ボタンをクリックする。( 1.3, 1.4)

1.3 File Menu - Unity Editor

1.4 Build Settings

Androidアプリのビルド

リリース用にビルドする場合は、色々と設定が必要となるが、自分のモバイルデバイスでテストするだけなら、細かい設定は不要である。Scenes In Buildのリストにビルド対象となるシーンが全て含まれていることを確認して「Build」ボタンをクリックする。( 1.5)

ファイルエクスプローラーが表示され、ビルドファイルのファイル名と保存場所を求めてくるので、新たにBuildフォルダを作成し、名前をandroidと入力し、「Save」ボタンをクリックすると、ビルドが開始される。( 1.6)

1.5 Build - Build Settings

1.6 Build Android

プログレスバーが表示されるので、完了するまで待機する。ビルドが完了したら、Androidアプリとしてapkファイルが指定したフォルダに保存される。( 1.7, 1.8)

1.7 Build Settings

1.8 APK file - File Explorer

APKファイルをモバイルデバイスに転送する

作成されたAPKファイルを適当な方法でモバイルデバイスへ転送する。APKファイルとしてビルドされたファイルは少なくとも15MB~20MB程度あるのでメールでは送付できないだろう。20MB程度の大きさであれば、DropboxやGoogle Driveのようなファイル共有サービス等を使いAPKファイルをPCからモバイルデバイスへ転送する。

モバイルデバイスにインストールする

転送したAPKファイルをモバイルデバイス上で実行しインストールする。今回はGoogle Driveを使った。Google DriveアプリでAPKファイルをタップして起動させる。( 1.9)

あとは、表示されるナビゲーションにしたがってインストールすればよいのだが、途中いくつかセキュリティに関する確認があるので適宜選択して先に進める。ここでは「INSTALL」をタップする。( 1.10)

1.9 Google Drive on Android

1.10 Install on Android

GoogleのPlay Store以外からインストールしようとすると保護機能によりインストールをブロックするメッセージが表示される。「INSTALL ANYWAY」をタップして先に進める。もし意図しない場面で本メッセージが表示された場合は「OK」をタップすればインストールはされない。( 1.11)

未確認のアプリをスキャンしてGoogleに情報を送付するかどうかの確認メッセージが表示されるが、自分でインストールしたアプリなので「DON'T SEND」で構わない。もし第3者のアプリをインストールする場合にはここで「SEND」をタップし情報を送っておくのも良いだろう。( 1.12)

1.11 Blocked by Play Protect

1.12 Send app for scanning?

インストール完了のメッセージが表示されるので「DONE」をタップする。( 1.13)

インストール完了後、Androidの画面にビルドしたアプリのアイコンが表示される。ビルド時にアイコンを設定していない場合は、デフォルトでUnityのロゴマークのアイコンが設定される。アイコンをタップし、起動が確認できればすべて完了である。( 1.14)

1.13 App installed. on Android

1.14 Screen of Android

アプリ起動直後、Unityのスプラッシュイメージが表示される。スプラッシュイメージが表示された後にゲームが開始される。( 1.15, 1.16)

1.15 Unity Splash Image

1.16 Result of Sample Game

さいごに

いかがだっただろうか。モバイルデバイス上で実行するまでの手間は少々あるが、一度覚えれば、特に難しくもないだろう。本格的なテストを実施する場合は、専用のテストデバイスを用意し常時PCと接続した状態でUnity Remoteを使う方法がビルドの工程を省いてテストが行えるので一番速くて楽だろう。

本ブログ記事で紹介した方法はテスト以外でも、家族や友人にゲームアプリを配布したいという時に使える方法だと思う。この方法であればアプリストアを経由しなくてもゲームアプリを配布しインストールが可能である。非公式なアプリの取扱いについてはiOSアプリに比べるとAndroidアプリの方がまだ制限が緩い。ただ今後、Googleの方針次第では仕様が変更される可能性もあるので注意が必要である。

Photo by Rami Al-zayat on Unsplash