もくじ
基本データ
- 書名: たのしい2Dゲームの作り方 Unityではじめるゲーム開発入門
- 著者:STUDIO SHIN
- 出版社:翔泳社
- 発売日:2021年02月17日
本書要約
今回、学習したUnity本は「たのしい2Dゲームの作り方 Unityではじめるゲーム開発入門」です。本書ではUnityでの2Dゲーム開発を学習できます。入門と記載されていますが、基本的なプログラミング学習は事前に完了しているのが望ましいと思います。理由は後述します。
本書使用のUnityバージョンは2020.1.15f1となっています。また、本書想定読者は中高生から大学生のUnity入門者ということなので全体的な解説は易しい内容になっており、学習難易度も低く設定されています。
本書で作成するサンプルゲームは2Dゲームが2つです。2Dゲームの中で代表的な横スクロール型のサイドビューゲームと2DのアクションRPGでよくみられるトップビュータイプのゲームの作成を一から学習できますので、本書はUnityで2Dゲームを作りたいという方に適していると思います。
本書の目次と内容
-
第1部 ゲームを作る準備
Unityのインストールから始まり、Unity Editorの画面構成と基本的な操作方法を学びます。また、Unityのゲームプロジェクトの最初の設定の方法、プレイヤーキャラクターの基本設定、簡単なスクリプトの作成まで行います。 -
第2部 サイドビューゲームを作ろう
横スクロール型のアクションゲームの作成について学習します。サイドビューゲームに必要な要素をおおむね学習することができます。 -
第3部 トップビューアクションゲームを作ろう
次にゼルダのようなアクションRPGで見られるトップビュータイプの2Dゲームの作成を学習します。こちらもサイドビューゲームと同様にトップビューゲームに必要な要素を概ね学習できます。タイトル画面、ワールドマップステージ、ダンジョンステージ、ボスステージと一通り古典的なRPGのレベルデザインをタイルマップを使い作成することができます。
学習後の感想
Kindle版を購入したのですが、いわゆる固定レイアウト型ではないため、文字の大きさは変更できて良いのですが、画像が拡大できないのでスクリーンショット内の文字が小さすぎて読み取れなかったです。また、スクリプトのサンプル内のプログラムコードの文字色がブラックで文字色の背景がブルーとなっておりちょっと見づらく感じました。紙の書籍版では気にならないかもしれないですが、Kindle版は可読性が悪いと思います。
本書内のC#スクリプトのコードの書き方は標準的なUnityのコーディングとは少し異なるかもしれません。あまり推奨されない書き方もあるようなので注意が必要だと思いました。例を下記に記載します。
-
Update関数内でFindを多用している。
⇒Findは極力、Start内で使用するか、GameObjectをInspectorに代入して参照するのがベターだと思いました。常に特定のゲームオブジェクトを参照したい場合にUpdate内で毎回Findを呼んでいるようなのですが、おそらくゲームオブジェクトの参照自体はStartメソッドで一度行えばゲーム実行中は有効なはずです。 -
publicの変数を多用している。
⇒基本的には極力クラス内の変数は外部から参照する数は減らした方が良いです。単にインスペクターに表示させたいだけなら、private変数にしてSerializeField属性を付与する方が良いです。
スクリプト内のコードの説明はさらっと書いてある程度ですので、Unityのコーディングの学習を別途実施していないとおそらく初見ではわからないでしょう。コードの量も割と入門向けとしては多い方なので、少し我慢してコーディングを行う必要があると思いました。
ちなみに本書のコードの誤りは一か所だけありましたが、既に出版社のページに正誤表がありましたので問題ないです。
Unityのレベルとしては入門向けという位置づけをしていますが、本書で作成しているC#のスクリプトを深く理解するには入門者には厳しいかもしれないです。ただ、本書のコードをそのままコピーして入力すれば動くようになっているので、わからなくてもとりあえず手を動かしてコーディングするというのも良いかもしれません。
良い点・悪い点まとめ
良い点
- 代表的な2Dゲームの開発を学習できる。
- 日本語書籍ではあまり取り上げられないTilemapの作成を学習できる。
悪い点
- 付録PDFのダウンロードには出版社サイトの会員登録が必要。
- Kindle版は一部可読性が良くないところがある。