もくじ
はじめに
※この記事は「 端ドット絵 Advent Calendar 2024」の17日目の記事です。
ちょっと前に4x4pxサイズのドット絵を格子状に複数並べたものを作りました。4x4pxで作成したカタカナとアルファベットと数字を適当に並べ、それ以外の場所にはランダムに描いた4x4pxのドット絵を配置したものです。以下、Xの投稿を引用します。
symbol and noise 4x4 px#pixelart #ドット絵 pic.twitter.com/HCWgMFxyOK
— 𝟱𝟭𝗡𝟭 (@t51n1) October 4, 2024
この絵を作りながら文字というシンボルの強さ、まわりにノイズとなるイメージがあってもその視認性が損なわれないのはなぜだろうかとそんなことをぼんやりと考えていました。今回はその視点とは少し違うのですが、同様に4x4pxのドット絵を使って、創作とは何かを考えてみます。
以前にp5.jsで4x4pxのドット絵をランダム生成する簡単なプログラムを作りました。今回はそのプログラムを利用しドット絵を生成し連想ゲームをしてみます。生成された画像から名前を連想し、併せてGeminiにも読み込ませて名前を連想させてみます。
4x4pxドット絵を生成するp5.jsのプログラムコードとそのスケッチは以前の記事「 【p5.js】65,536個のピクセルイメージを生成する」を参照してください。
1ビットの4x4pxサイズのドット絵なので、全パターンは65,536パターンしかありません。とはいえ、流石に全部を連想してみる時間はないので、ここでは今回生成・連想したものの中から数パターンを紹介します。
生成されたドット絵が果たしてピクセルアートと言えるのかどうかという疑念が自分の中にはありますが、とりあえずそれは置いといて気軽に遊んでみたいと思います。ここで補足しておきますが、今回生成AIサービスでは画像を生成していません。あくまでも自分の簡易プログラムで生成した画像になります。ちなみに巷にある生成AIサービスで生成された画像は今のところ概ね嫌いです。
連想ゲームの流れ
- p5.jsのスケッチをクリックしてモノクロで4x4pxサイズのドット絵をランダムに生成させる。
- 生成されたドット絵から名前などを連想する。ここでは文字そのもののを連想することは避けイメージとして連想する。
- いいものが思い浮かばない場合は、どんどんスキップする。
- Gemini 1.5にも聞いて、短い名前と長い名前を連想し出力させる。
- 以上、好きなだけリピートする。
生成したイメージとその連想
No.1
- 僕の連想:赤ちゃんがハイハイしている
- Geminiの連想(短め):カバ
- Geminiの連想(長め):氷河の上を悠々と歩く北極グマ
No.2
- 僕の連想:手裏剣
- Geminiの連想(短め):十字路
- Geminiの連想(長め):神秘的な十字路の分岐点
No.3
- 僕の連想:蛇口から飛び散る水
- Geminiの連想(短め):椅子
- Geminiの連想(長め):モダンデザインのコーナーソファ
No.4
- 僕の連想:ワカメがゆらゆらしている
- Geminiの連想(短め):蜂の巣
- Geminiの連想(長め):カラフルな熱帯魚の鱗模様
No.5
- 僕の連想:ビキニ
- Geminiの連想(短め):パンダ
- Geminiの連想(長め):パンダの毛並みを模したモノクロのぬいぐるみ
まとめ
Asepriteなどのドット絵エディターで直接描いてしまった方が効率が良いかもしれませんが、わざわざp5.jsのプログラムを仲介させる形にしています。後付けではありますが、プログラムで生成する理由というものを考えてみます。
得てして、創作活動というのは何かを新しく作り出していると思い込んでいるものですが、実はすでに存在するものをある美学の基準で選択して見せているだけのものだとも、ある一面では考えられます。
創作するということは、決して完全に新しいものを作り出すというよりは、ある美の概念にその時代のトレンドを新しくラベル付けする行為とも言えます。
間違っていたら訂正しますが、これはカントあたりの哲学者が述べていたような気がします。あくまでもこれは一つの観点ではありますが、自己反省の念を込めて時々思い出すようにしています。
この連想ゲームはそのような創作の本質を考えるきっかけであり、それを忘れないための装置といえます。
最後に
少しだけ自己紹介ですが、現在は東南アジアの某国でだらだらと汗をかきながらサラリーマンをしています。ずっとゲームを作りたいなーと思いながら、趣味でドット絵を制作しています。美術、芸術に関して今まで独学でやってきたので、来年からはもっと体系的かつ包括的に学ぶため、大学での学びなおしを画策しています。