【2Dアニメーション作成ツール】即席比較

Software Review For Making A 2D Animation

Posted by 51n1 on 10 Jan, 2021

もくじ

はじめに

Unityにおける2Dゲーム開発で、キャラクターのアニメーションを作成したいとき、Unityは2Dイメージの作成ツールを内蔵していないので、通常、外部のツールを使って2Dイメージの作成および2Dアニメーションの作成を行うことになる。

簡単なアニメーションであれば、適当なグラフィックソフトウェアで作成した2DイメージをUnity上でSpriteとして読み込み、2Dアニメーションを作成することが可能ではある。

どのみちUnityでは2Dのイメージは作成できないので、今回は、2Dイメージと2Dアニメーションを作成できるツールを探し、簡単なイラストとアニメーションを作成してみた。本ブログ記事では、趣味として2Dアニメーションを作成したいユーザ向けに2Dアニメーション作成ツールを簡単に比較してみたいと思う。

2Dアニメーション作成ツール

Clip Studio Paint Pro

Blender (Grease Pencil)

Krita

Aseprite

雑感

試したツールの中で意外な発見だったのはBlenderのGrease Pencilである。3D空間で2Dのペイントを実現できるというのは、かなり面白い。VRを使い「 Tilt Brush」等のツールで3D空間にスケッチするような体験に近いのではないだろうか。

ちょっと2Dゲームのアニメーション作成とは関係ないが、BlenderのGrease Pencilを徹底的に使って2D/3Dのグラフィック作成に取り組んでみたいと思った。

ツール特長・早見表

Clip Studio Paint Blender Krita Aseprite
ドット絵 ×
2Dアニメーション Pro △ / Ex ○
ベクター機能 ×
ブラシ機能
価格 有料 無料 無料 有料
スマホ対応 × × ×
ペンタブレット 必要 必要 必要 不要
3Dモデル作成 × × ×
出力機能 JPG/PNG/GIF/MP4 JPG/PNG/MP4 JPG/PNG/MP4 JPG/PNG/GIF
スプライトシート × × ×
リギング機能 × × ×
学習コスト 普通 高い 普通 普通
カメラ機能 × ×

特長&コメント

  • ドット絵(ピクセルアート)

    Asepriteはドット絵専用のアプリケーションである。個人的にはドット絵であれば、Photoshopが一番描きやすいのだが、ソフトウェア使用料が高いのでAdobe製品は対象外である。

  • 2Dアニメーション

    2Dアニメーションの機能はいずれのツールもあまり変わらないだろう。Clip Studio Paint Proは24fpsで1秒のアニメーションまでしか作成できない。そのため、まともにアニメーション作成しようとする場合は、Ex版が必要だろう。Pro版は買い切りでも5千円程度なので手ごろなのだが、Ex版を買ってしまうと正直、価格メリットがなくなってしまう。

  • ベクターグラフィック(ベジェ曲線)

    2Dアニメーションではベクターグラフィックの方が作りやすいかもしれないが、描画のタッチによるマンガテイスト・アナログ感を出すのは限界がある。

  • ブラシ機能

    標準で豊富にブラシの種類があるのはやはり、Clip Studio Paintである。他のツールでも、ブラシを追加して拡張することは可能だろう。

  • 価格

    Clip Studio PaintとAsepriteは有料。BlenderとKritaはオープンソースソフトウェアで無料である。ただし、公式サイトで寄付として使用料を支払うことは可能。

  • スマホ対応

    唯一、Clip Studio Paintのみが対応している。iOS系であれば、他にProCreateというアプリも候補になる。

  • ペンタブレット

    当然ながら、いずれのツールもペンタブレットを使用した方が良い。ベクターベースのペイント機能やストロークの補正機能を有している場合、作風によってはマウスのみで作成することも可能かもしれない。ちなみにドット絵はマウスでも十分作成が可能。

  • 3D

    Blenderは3Dでの作成が可能。

  • 出力機能

    Unityで出力ファイルを使用するとした場合は、いずれのツールもイメージ出力可能なため大差はない。

  • スプライトシート

    今回のツールの中ではAsepriteのみ利用可能。この機能がない場合は、フレーム単位でイメージ出力し、画像編集ソフトで出力したイメージファイルを一つに結合すれば良いだろう。

  • リギング機能

    ボーンアニメーションのための機能。Blenderで利用可能。

  • 学習コスト

    Blenderは本来3Dグラフィックの制作ソフトウェアということもあり、覚えるべき機能は多く存在する。また、インターフェースが独特なので、ショートカットキー主体の操作体系等、慣れるのが大変だろう。

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Clip Studio Paint

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