もくじ
はじめに
Unityにおける2Dゲーム開発で、キャラクターのアニメーションを作成したいとき、Unityは2Dイメージの作成ツールを内蔵していないので、通常、外部のツールを使って2Dイメージの作成および2Dアニメーションの作成を行うことになる。
簡単なアニメーションであれば、適当なグラフィックソフトウェアで作成した2DイメージをUnity上でSpriteとして読み込み、2Dアニメーションを作成することが可能ではある。
どのみちUnityでは2Dのイメージは作成できないので、今回は、2Dイメージと2Dアニメーションを作成できるツールを探し、簡単なイラストとアニメーションを作成してみた。本ブログ記事では、趣味として2Dアニメーションを作成したいユーザ向けに2Dアニメーション作成ツールを簡単に比較してみたいと思う。
2Dアニメーション作成ツール
雑感
試したツールの中で意外な発見だったのはBlenderのGrease Pencilである。3D空間で2Dのペイントを実現できるというのは、かなり面白い。VRを使い「 Tilt Brush」等のツールで3D空間にスケッチするような体験に近いのではないだろうか。
ちょっと2Dゲームのアニメーション作成とは関係ないが、BlenderのGrease Pencilを徹底的に使って2D/3Dのグラフィック作成に取り組んでみたいと思った。
ツール特長・早見表
Clip Studio Paint | Blender | Krita | Aseprite | |
---|---|---|---|---|
ドット絵 | △ | × | △ | ○ |
2Dアニメーション | Pro △ / Ex ○ | ○ | ○ | ○ |
ベクター機能 | ○ | ○ | ○ | × |
ブラシ機能 | ○ | △ | ○ | △ |
価格 | 有料 | 無料 | 無料 | 有料 |
スマホ対応 | ○ | × | × | × |
ペンタブレット | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 |
3Dモデル作成 | × | ○ | × | × |
出力機能 | JPG/PNG/GIF/MP4 | JPG/PNG/MP4 | JPG/PNG/MP4 | JPG/PNG/GIF |
スプライトシート | × | × | × | ○ |
リギング機能 | × | ○ | × | × |
学習コスト | 普通 | 高い | 普通 | 普通 |
カメラ機能 | △ | ○ | × | × |
特長&コメント
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ドット絵(ピクセルアート)
Asepriteはドット絵専用のアプリケーションである。個人的にはドット絵であれば、Photoshopが一番描きやすいのだが、ソフトウェア使用料が高いのでAdobe製品は対象外である。
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2Dアニメーション
2Dアニメーションの機能はいずれのツールもあまり変わらないだろう。Clip Studio Paint Proは24fpsで1秒のアニメーションまでしか作成できない。そのため、まともにアニメーション作成しようとする場合は、Ex版が必要だろう。Pro版は買い切りでも5千円程度なので手ごろなのだが、Ex版を買ってしまうと正直、価格メリットがなくなってしまう。
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ベクターグラフィック(ベジェ曲線)
2Dアニメーションではベクターグラフィックの方が作りやすいかもしれないが、描画のタッチによるマンガテイスト・アナログ感を出すのは限界がある。
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ブラシ機能
標準で豊富にブラシの種類があるのはやはり、Clip Studio Paintである。他のツールでも、ブラシを追加して拡張することは可能だろう。
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価格
Clip Studio PaintとAsepriteは有料。BlenderとKritaはオープンソースソフトウェアで無料である。ただし、公式サイトで寄付として使用料を支払うことは可能。
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スマホ対応
唯一、Clip Studio Paintのみが対応している。iOS系であれば、他にProCreateというアプリも候補になる。
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ペンタブレット
当然ながら、いずれのツールもペンタブレットを使用した方が良い。ベクターベースのペイント機能やストロークの補正機能を有している場合、作風によってはマウスのみで作成することも可能かもしれない。ちなみにドット絵はマウスでも十分作成が可能。
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3D
Blenderは3Dでの作成が可能。
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出力機能
Unityで出力ファイルを使用するとした場合は、いずれのツールもイメージ出力可能なため大差はない。
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スプライトシート
今回のツールの中ではAsepriteのみ利用可能。この機能がない場合は、フレーム単位でイメージ出力し、画像編集ソフトで出力したイメージファイルを一つに結合すれば良いだろう。
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リギング機能
ボーンアニメーションのための機能。Blenderで利用可能。
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学習コスト
Blenderは本来3Dグラフィックの制作ソフトウェアということもあり、覚えるべき機能は多く存在する。また、インターフェースが独特なので、ショートカットキー主体の操作体系等、慣れるのが大変だろう。